こんにちは。
シンプルモダン住宅を設計する相川佐藤建築設計事務所です。
丁寧な打合せで、みなさんの夢を叶えます。
台東区・文京区の建築家として家づくり設計活動中です。
リフォーム・リノベーションの設計依頼もお待ちしています。
最近は、住まいの熱環境を研究中。
快適な住まいづくりを目指しています。
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自宅のブルーレイレコーダーの録画機能に、キーワード録画という機能があります。
「建築」や「住まい」などキーワードを入れておくと、番組タイトルや内容から自動録画がされます。
結構、設計事務所スタッフが登場人物の中にいるとかが録画されます。
そして、設計事務所があまり理解されていないことに、驚きます。
建築設計事務所って何?
設計事務所というのは、小規模な事業体のことが多いです。
そして、wikiを引くまでもなく、建築士事務所で建築設計を主たる営利業務とするところです。
さらに分類があって、意匠設計、構造設計、設備設計、積算、都市関連など専門に分かれます。
私たちの事務所は、その中で、意匠設計をする意匠事務所というものにあたります。
意匠事務所もさらに大きく二つに分れるといわれています。
一つはアトリエ系建築設計事務所で、もう一つが組織系建築設計事務所です。他にも設計部門を持つ工務店や工事会社が設計業務をしていますが、先の二つとは少し様子が違います。
アトリエ系建築設計事務所をwikiでひいてみると、
「個人の建築家が主宰する建築設計事務所のうち、特に建築家個人の作家性を強く反映した設計を行う設計事務所」とあります。
「作家性」というのはなかなか難しい話ですが、デザイン的な個性やオリジナリティーがあるということを超えて、建築のあるべき姿や方向性、これからに向けて、積極的に発言することが多いです。
個人の住宅を通して、世界や未来を語ったりする感じです。
路傍の小石につまづいただけで核兵器を持ち出し、世界大戦を初めてしまう感がなくもないですが、とにかく建築の未来を憂い戦います。
いささか自嘲気味に聞こえるかもしれません。
しかし僕らもそうですが割りに皆、本気で世の中を良くしたいとか、豊かにしたいとか思っています。
そこモチベーションです。
設計した最新の建物が「作品」と呼ばれ、建築系の専門雑誌やwebに「発表」されます。
ここも結構モチベーションです。
アトリエ事務所、本当に建築のことが好きな方たちが多いです。
主に意匠設計とそれに伴う建設施工現場の監理が、業務となります。
通常、大工や職人のような施工チームは属していません。
設計と工事監理だけ。
が、メディア対応の広報チームや秘書さんがいるような、人気アトリエ事務所もあります。
主に取り組む建築のタイプは、個人の住宅や中小規模のオフィス、賃貸テナントビルなどで、木造から鉄骨造、鉄筋コンクリート造とさまざまな構造形式に対応します。
キャリアを重ねていくと、仕事の規模が大きくなったり、カバーしなくてはいけない業務の幅が広がっていくことがあります。
そうすると、より組織化したり企業化したりして大きな会社になっていきます。
そうなると、アトリエ系事務所と組織系事務所を区別するのは難しくなりますが……。
ですが、wikiによると組織系建築設計事務所は
「一つの建築設計事務所で、意匠・建築構造・建築設備・エンジニアリングシステムなどを計画・設計することが可能であり、さらに建築工事現場における監理もできるという特徴」とあります。
ゼネコンともちょっと違います。
代表的な組織系建築設計事務所としては(思いつくまま悪意なく並べると)日建設計、NTTファシリティーズ、日本設計、三菱地所設計、山下設計、梓設計、久米設計、松田平田、佐藤総合計画(順不同)など挙げればきりがないほど存在します。
売り上げも大きく、中小のアトリエ系建築設計事務所ではこなしきれないような巨大で複合的な建築プログラムに取り組むことが可能な組織です。
アトリエ系建築設計事務所って?
もう少しアトリエ系建築設計事務所をみていきます。
比較的小さい組織という話をしましたが、ボスが一人で何でもこなすような事務所もあります。
多くは、パートナーや2〜5人のスタッフが在籍するタイプです。
例えば住まいの打合せは、建主さんのお休みの日が必然的に多くなります。
最近では在宅勤務の方が増えたので、お子さんが学校のある平日の午前中の打合せということも珍しくなくなりました。
アトリエ系建築設計事務所では、土日出勤は珍しくありません。
小規模な事務所には木造住宅の設計が得意なところや、逆にまったくやれないところがあります。
木造とRC造は作り方や考え方が違いますので、木造住宅の設計ができればRC造住宅の設計は理解できますが、RC造住宅の設計だけしかできないと木造住宅の設計は理解できません。
日本の住まいは木造の軸組がその起源です。日本の住まいを考えるためには木造の知識が必要です。
今は書籍やネット上の情報などで専門情報知識が簡単に得られます。
取捨選択さえ間違わなければ、木造住宅の設計を理解することは難しくありません。
しかし、かつては設計事務所で「修行」をしなくては、建築実務は身につかないものでした(本当は、今もあまり変わらないですが)。
設計事務所を営む人の多くは、大学や専門学校などで建築の専門教育を受けています。
しかし、専門教育を受けた人の多くは、組織型設計事務所や大手ゼネコン、ハウスメーカーや建材メーカーの建築関連の企業などに就職します。
将来、設計事務所を自分でやりたいと思う人たちは、それぞれ希望に近い事務所に就職します。
しかし、この道を選ぶ人は本当に少数です。
そこで3〜10年、実務経験という名の修行をし、独立したり、他の事務所を渡り歩いたりします。
その間に、この同じ志の仲間は減っていきます。
田舎に帰って行ったり、きちんとした企業に就職したり(やさぐれたり)します。
やせ我慢ゲームの体(てい)です。
それでも根性なのか、才能なのか能力がある人間は、各世代で頑張っています。
他の仕事と同じで、仕事は待っていても来るものではありません。
通常、皆、いかに受注するかを考えています。
ホームページを作り、ブログをアップし、インスタグラムを続けます。
もっともテレビやハウジング誌でよく紹介されている人たちは、多くの仕事の機会に恵まれています。
仕事の他に、学校の先生や下請けをすることも多く、厳しい世界です。
(この項、続く)
2021/12/14 佐藤 勤 記
コラム:はじめての家づくり掲載リスト vol.02
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