子供時分のテレビの話。
子供のゴールデンタイムである夕刻には様々再放送がされていた。
ウルトラマン系や戦隊物、ギャグ漫画系や少女漫画系とさまざまだった。
そこに混ざって水戸黄門や大岡越前、木枯らし紋次郎や銭形平次を見た。
ご存知、東野英治郎さんの黄門様に加藤剛さんの大岡越前。
紋次郎は中村敦夫さんだった……ような気がするのだが。
子供心に撮影セットの江戸の街並みにワクワクした記憶がある。
とにかく、時代劇は子供の近くにもあった。
僕は身近なひとの本棚に影響を受けてきた。
両親の本棚と友人たちの本棚には特に強い影響を受けたように思う。
実家では両親が文藝春秋を共に読んでいた。
僕は一人暮らしをすると、仕送り荷物と一緒に送ってもらっていた。
それでも、時代小説を読む機会を逃していた。
歳をとったら読むのかなとか、思ったことはあった。
あったが魅力を特に感じていなかったのだ、食わず嫌いで。
テレビでも苦戦が続いているとも聞いていた。
ある時、友人の大沢誠一さんに勧められ司馬遼太郎さんを読み始めた。
一気に時代小説や歴史物で本棚が埋まっていった。
仕事での大きな決断をせまられている時期と重なったりもした。
それからは友人たちに久しぶりにあうと、こう聞く。
「最近、何読んでる?」って。