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はじめての家づくり 19 | 土地の見方

更新日:2021年9月30日

こんにちは。

和モダン住宅を設計する

相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。

千葉県柏市でも家づくり設計活動中です。

今回もよろしくお願いします。


引き続き、これから家づくりをするみなさんのために

家づくりの情報を発信していきます。


前回は土地の不安要素のお話でした。

続けましょう。


購入後の土地整備の可能性

土地には敷地条件が色々とあり、目に見えない要素があります。

前々回お話しましたが、後々だと大問題にもなりかねません。

そこで、整備が必要な土地についてのお話。


購入後の土地には以下のような整備の可能性があります。



① 造成工事が必要なケース

世の中をよーく見回してみると、本当に平らな場所ってありません。

実は道路は結構傾斜していまし

まっすぐでもありません。

ですので、敷地の面する道路も

端から端まで眺めてみると高さが違ったりするものです。

が、その高さにも限度があります。

道路や隣地との間に高低差があり、

通常使用する場合に問題が発生しそうな土地は整備が必要です。

その内容は、計画する建物によって決まります。


また、敷地が極端に傾斜していたり、

端部が傾斜していて法面(崖など)に

なっている土地も整備が必要です。

この場合は

土を削ったり、盛ったりすることになるので、

造成工事の申請が必要になることもあります。

最近の瞬間的な豪雨などの被害に遭わないためにも慎重な対応が必要です。




②地盤が弱い土地

地中はどうなっているのか、表面を見ているだけでしゃ分かりません。

仮に見た目が平気でも、建築物はとても重量があります。

それを支えるのに十分な硬さでないことがあります。

そこは「地盤が弱い」ということになります。

そういう地盤の上に家を建てると、

部分的に沈んでいって建物が傾いたり、亀裂が入ったりするかもしれません。

元が川や海、田んぼや畑などの軟弱地盤や盛土をしたところも注意が必要です。

ですから、地盤調査は必ずしましょう。

地盤調査についてはまた後日解説します。

・地盤がOKならベタ基礎で

地盤調査の結果、長期の地耐力(地盤の強度を表す)が

30KN/㎡以上の支持力があればOKです。

特に整備することなく基礎工事がはじめられます。

・地面の表層が2m程度軟弱ならば

地耐力が十分でない場合は「軟弱」といったりします。

表面の数mだけが軟弱な場合、

表層改良で上の方だけ整備し、工事を始めます。

ここまでは高額ではないタイプの整備です。

・支持地盤まで地盤が軟弱ならば

地盤調査によって、地盤はどこから硬くなっているかが判明します。

その深さによって選択肢が変わってきます。

柱状改良や杭工法などがあり、

専業でやっている業者もあります。

いずれにしても、強固な支持地盤まで

柱状のソイルセメントや

鋼管杭を打ち、その上に建てます。

何れにしても、数十万〜数百万円と金額が張ります。

まったく予測不能ということはありません。

近隣の地盤調査のデータや地形の形成プロセスから想定ができる頃です。

ぜひ、設計者や工務店に確認してみてください。


③上下水道やガスが引込まれていない土地

前面道路まで上水道、下水道、都市ガスが引かれ埋設されていない時は、

建主による引き込み工事が必要になります。

また、あっても菅の口径が小さいケースでは、

新しく口径を大きくする必要が出てきます。

さらに、下水設備がないエリアでは、

敷地内に浄化槽の設置が必要となります。



土地探しは誰にしてもらう?

さて、行動に出ましょう。

チラシを見たり画面を見たりしているだけでなくて街に出ましょう。

まずは不動産業者にアプローチ。

店舗でもWEBでも、彼らはとにかく情報量が豊富です。

豊富ですが、公開可能になった瞬間にほとんどの情報が、

不動産業者専用サイトにアップされ、

同業他社との発信合戦になります。

一方で地元の不動産業者などは、

オープンにしていない情報や自社物件の情報をもっていることがあります。

家づくりでの土地探しではそうした情報が結構重要だったりします。


他にもハウスメーカーも土地探しをしてくれます。

もっとも情報源は先出の不動産業者専用ネットのものがほとんどです。

それでも資金力のあるハウスメーカーは、ミニ開発など独自の販売ルートもあるので、

こちらの希望をしっかり伝えておくと条件に合うものも……。

その場合、

ハウスメーカーから直接土地を購入するので、

不動産仲介手数料がかからないことがあります。

不動産仲介手数料=

 (土地価格×3%+6万円)+消費税

ですから、

土地価格2000万円の場合

手数料は71万2800円(上限)です。

また、ハウスメーカーによっては

提携銀行の提携住宅ローンが利用でき

金利が優遇されることもあるようです。

何れにしてもどちらも営業の専門職なので職務に熱心すぎることがあるようです……。


いずれにしても土地を購入したら

早めに家を建ててください。

なぜかというと、購入すると固定資産税を支払うことになるのです。

その土地に家を建てると

固定資産税が土地の評価額の1/6に減額されます(200㎡前の住宅地の場合)。

ローンの窓口などでも相談してください。



もっとも大切なのは資金計画

土地探しでは何と言っても、しっかりと先を見つめた資金計画が大切です。

限りある予算のバランスをとり、

将来のライフステージも想定してください。

必ず良い方法が見つかります。

土地よし、家よし、暮らしよしの計画を目指しましょう。


次回も引き続き土地をどう見るか考えていきましょう。


(この項、つづく)


2021/06/18 佐藤 勤 記


この項続きます

次回、6月23日(火)に更新予定です。


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