こんにちは。
相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。
自然素材を使った住宅をお届けする
台東区谷中の設計事務所です。
今回もよろしくお願いします。
自己資金は20%以上で
前回は「自己資金(現金=頭金)+住宅ローン(借入)」が
総予算=「住宅資金」というお話でした。
国交省がまとめた令和2年度の全国平均は
土地を購入して注文住宅で家づくりをした世帯の資金総額は4,606万円、
自己資金比率は26.0%でした。
一般的に、自己資金は住宅資金の20%以上と言われていますが、
もう少しみなさん用意されているようです。
そして住宅資金の内訳は
70〜80%が本体工事費、
15〜20%が付帯工事費、
5〜10%が諸費用となります。
では、付帯工事費と諸費用とは何でしょう?
付帯工事とはその他の工事
基本は、本体工事以外の工事にかかる費用のことです。
ところでハウスメーカーや工務店の設計・施工の見積り細目と
設計事務所が設計し、工務店が施工する見積り細目は微妙に違います。
後者では、
カーテン工事以外は全て本体工事として見積もりされることが普通です。
しかし、前者では
基礎工事、地盤補強(改良)工事費が付帯工事とされます。
工事に取り組む姿勢や見積り(利益の出し方)の考え方の違いがここに出ます。
ちなみに
基礎工事費は
鉄筋コンクリートによる基礎部分の工事費です。
整地を含めて委託された土工の会社が執り行います。
地盤補強(改良)工事費は
基礎工事前の地面への工事費となります。
これは敷地のコンディションにより、
地盤改良か杭工事など数十万から数百万円と幅があります。
他には
既存家屋がある場合は解体工事費用(数十万から数百万円)、
敷地の土を大きくいじる場合の造成工事(擁壁)費用(工事内容により高額もあり得る)、
インフラ整備の給排水工事費用やガス工事費用、
庭やフェンスをつくる外構・造園費用(工事内容により高額もあり得る)などがこれに含まれます。
場合によっては、
カーテン工事、照明工事、エアコン工事なども付帯工事として計上することもあるようです。
どこに計上されているかは、大きな問題ではありません。
必要にして十分な見積りであることがポイントです。
しかし付帯工事を含めての総工事費なので、
本体工事に何が入っていないか十分に確認する必要があります。
見誤ると、資金不足のしわ寄せが色々なところに及んでしまいます。
諸費用は本当に諸々費用
諸費用とは各種税金やローン、保険料などの支払いのことです。これらは住宅ローンではまかなえないため、現金を用意しておく必要があります。
主なものを列記すると
・ 土地・建物の登記費用
・ 火災・地震保険費用
・ 住宅ローンなどの手数料
・ (必要であれば)つなぎ融資費用
・ 給水分担金費用
・ 印紙税
・ 地盤調査費用
・ 地鎮祭費用、上棟式費用
・ 引っ越し費用
・ (建替えなどならば)仮住まい費用
・ 近隣挨拶費用
などとなります。
積み重なるとばかになりません。
ご自身にあったリストをつくることをお勧めします。
支払いタイミング
お金は総額も大切ですが、支払いのタイミングも重要です。
土地の購入にあたっては、
土地の代金は工事着工までに全額支払うことになります。
多くの方は、土地と建物を担保にして住宅ローンを組みます。
それが利用できるようになるのは建物引き渡しのタイミングです。
それまでに必要なお金は、自己資金か
つなぎ融資や分割融資などを利用することになります。
無理のない計画を検討ください。
金融機関など相談窓口があります。
思った以上に親切ですのでまずは訪れてみてください。
一度話を聞くと様子がわかると思います。
建物費用の支払いは、
請負工事契約時、工事着手時、上棟時、完成後など4回に分けるのが一般的です。
建設工事は、割に短いスパンで現物を調達して決済ことで回っています。
工事内容やタイミング、工務店によって事情があるようです。
こちらも、支払い回数やタイミングなど気軽に工務店に相談してみてください。
次回は引き続きそのローンについてみてみましょう。
(つづく)
2021/06/01佐藤 勤 記
この項続きます
次回、6月4日(金)に更新予定です。
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