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はじめての家づくり 02 | 住宅展示場に行く前に

新年度ということもあってか、世の中には住宅の情報があふれています。

今年こそ、「家づくり」をスタートさせませんか?


ここでは前回に引き続き、「家づくり=住まいの取得」とし、設計事務所に依頼する以外のお話も含めて「住まいづくり」についてお話ししていきたいと思います。

はじめての「家づくりの入口」についてです。


今年こそ自分の家を手に入れたい


 「家づくり」を思い立ったら、なにからはじめたら良いのでしょうか?

一生にそう何度もないことでしょう。

金額も金額ですから慎重さも必要です。

そしてこれからの人生を楽しむための大きなイベントでもあります。

まずは臆せず一歩目を踏み出しましょう。

ではその一歩目の向かうべき入口はどこにあるのでしょうか?

まずは数ある選択肢から自分たち家族にあった方法を考えてみてください。



家づくりの入口とは?

では、どのような入口があるのでしょうか。

ハウスメーカ、工務店、不動産系、設計事務所と供給の仕方が違う入口があります。


 新聞では、ハウスメーカーや住宅展示場のチラシを見かけます。

集合住宅でもマンションギャラリーと称したモデルルームがありチラシになっています。

モデルハウスやモデルルームの見学は、私たちからみても楽しそうです。

イベントやプレゼントなどもあり、なんだかワクワクしますよね、きっと。

ここではモデルルームで見たような住まいが手に入りそうです。


 他の入口としては地元の工務店というのがあります。

時々チラシがポスティングされていたり、沿道で「住宅販売中」のノボリが掲げられているあれです。

工務店は地域密着型が多いですから、地元の不動産事情に詳しく、小規模な建売を販売していることもあります。


そして昨今、最大の情報発信をしている大きな入口は不動産業界でしょうか?

無限ループのように繰り返される人気タレントとキャラクターの楽しげなTVCMは新生活へ誘ってくれます。

仲介業ですから、各社の新築の建売住宅、分譲住宅だけでなくマンションなど多数扱っています。

ここに来ると中古の戸建て住宅やマンションも視野に入ってきます。

最近は窓口でローンだけではなく、リフォームの相談にものってくれるようですね。


 そしてさらに私たちのような設計事務所。

TVや雑誌などで紹介されているのをご覧になったことがあるかと思います。

ご希望を伺ってから設計するフルオーダーの住まいづくりです。


4割以上が○○○へ行く

 ちょっと世間を眺めてみるだけでも、いろいろな入口がありますよね。

そして、当然それぞれにメリットとデメリットがあります(これらの話は続編で改めて)。


 では実際には、家づくりを始めようと思った先輩たちは何から始めたのでしょう。

まずは、そう思った瞬間からTVやwebの住まいに関する広告が気になりだすようです。

素敵なインテリアやBBQのできそうな庭、暖かいリビングや使いやすそうなキッチンなどが魅力的に見えます。

それで「とりあえず」のアクションとしてその44%の家族がまずは住宅展示場やマンションギャラリーに行くというデータがあります。


 住宅展示場には通常数社のモデルルームが実際の住宅街のように建てられています。

中に入るとフレンドリーな営業担当が色々と案内をしてくれます。

それぞれなかなかの情報量なので2棟も回るとすっかり疲れてしまいますが……

それでもおぼろげだった感じから少しだけ具体的な「住まい」のイメージを持つことができるようになるでしょう。


ただ準備や考えなくそうしたところを訪れると、結果として「家づくり」に失敗してしまうことがあります。

ハウスメーカーの商品はよくできたシステムですし、よくできた営業マンがマンツーマンで説明をしてくれます。

その流麗さに些かも疑念はわかないかもしれません。

強引な説得がなくとも、もう他を悩まなくていいように思えてくるかもしれません。

そして躊躇する間もなくどんどんと進んでいることに安心感さえ覚えるかもしれません。

しかし、人生でそう何度もない岐路に立っていることを思い出してください。

検討すべきはずだった選択肢に気づけない、他の可能性を検討しないまま進んでいく事態は避けたいものです。


 ですから、住宅展示場を訪れる前に適切な準備をしていただきたいのです。

私たちからの提案は「家族で話し合う」「情報を集める」「とにかくお金の相談をする」「できれば設計事務所に一度は相談してみる」の4つです。


・家族で話し合う。

家族のための家づくりです。ローンを組む主体者の意向だけなく、子供や両親などとも話し合いをしてください。案外近しい人が違う考えだったりするものです。違いは違いとして認識し、ではどうするかを家族で話し合って欲しいのです。


・情報を集める

お話ししてきたように、世の中では山ほど情報発信がされています。判断のつかないままボリュームの大きな情報に流されることあります。

ですからその諸段階では情報を広く集め、俯瞰的に眺めるタイミングも必要です。

各ハウスメーカーや近くの住宅展示場を見て回るのも良いでしょう。

数多く発刊されている家づくり関係の書籍をまずは一冊手にとってみるのも良いでしょう。webでも様々サービスがあり、無限の選択肢があることを悟ります。

とにかく一通り眺めてみてください。

結論を慌てて出すのではなく、とにかく情報を集めてみてください。

その集める行為が最終的なあなたの方向性を指し示しています。


・とにかくお金の相談をする

工夫をすることで色々と問題を解決することはできますが、やはり予算あっての家づくりです。早い段階からお金の専門家に相談することをお勧めします。

実際にローンを組む予定のところでなくとも、金融機関などは相談会などを開催しています。

不動産系でも相談会は行われており、ファイナンシャルプランナーによる無料相談などもあるようです。

予算のイメージ見えてきて、はじめてどういう選択肢をどのように選択するのかがスタートします。


・できれば設計事務所に一度は相談してみる

これは宣伝のつもりではありません。

上手に設計事務所を利用してくださいという話です。

ある程度ご自分たちの要望やイメージが持てているのであれば、建主さんの立場で一緒に考えてくれる設計事務所にも声をかけてみてください。

多くの設計事務所では、建主さんが声をかけてくだされば、とにかくまずは相談に乗ってくれるはずです。

どういう可能性があるか?

どういう対処法があるか?

どこの設計事務所でも、家づくりの入口に立つみなさんからの相談を受けつけている(はず)です。


家づくりの入口の全体像をイメージしていただけたでしょうか。

みなさんのInstagramやブログを拝見していると、情報に振り回されて後悔したというお話しが目につきます。

ぜひ、スタート時こそしっかりと時間をかけ、出来るだけ多くの選択肢の中から自分にあった家づくりをしていただきたいと思います。


次回から、そのための「これだけは知っておいて欲しい家づくりのポイント」をお届けします。

最後までお読みいただきありがとうございました。


2021/04/09 佐藤 勤 記



次回、4月13日(火)に更新予定です。


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