相川佐藤建築設計事務所一級建築士事務所
Q&A/faq
みなさんにいただく代表的な「家づくり」についての質問にお答えしています。
これからのみなさんの家づくりの参考にしてください。
Q1 建築家って何をしてくれる人ですか?
A 建主さんの立場で一緒に「家づくり」を考える人です。
一戸建てを手に入れる方法は大まかには「注文住宅」と「建売住宅」のふたつです。さらに注文住宅をどこに頼むかにより「建築家」「ハウスメーカー」「工務店」という選択肢があります。ほかにも「中古住宅」とそのリフォームいう選択肢もあります。
私たち建築家は、建主さんのためにプランニングやコストコントロールといった設計作業をし、建主さんの立場から工事会社(工務店など)を選定し、工事が正しく行われているかを監理するのが仕事です。
建築家に依頼していただく最大のメリットは、プランニングや素材の選択の自由度の高さやデザイン性の高さ、あるいは暖かさや涼しさといった冷暖房機器の選択だけではなく、中間期の自然通風による温熱環境の検討や、近隣住居の窓や玄関などといった周辺環境への高いレベルでの対応などです。
規格化された万人向けの不自由な商品住宅ではなく、「自分らしさを大切に」と考える人向きです。建主さんの希望を時間をかけて整理しながら、設計という共同作業をしていくのが建築家です。どのような住宅を手に入れるかというのは、自動車や洋服を選ぶのとはちがい、時間をかけた慎重な取り組みの先に見えてくるもので、最初から用意(レディ・メイド)ができていたり、対処療法的な部分的な差し替えでは叶いません。一緒に悩み、答えを見つけるのが建築家です。
Q2 設計にあたっての考え方を教えてください。
A みなさんのための家づくりをします。
「住宅設計にはたくさんの正解がある」というのが私たちのスタートラインです。最初から何かを決めつけてしまうのではなく、時間の許す限り柔軟な対応をしたいと思っています。敷地の数だけ、建主さんの思いの数だけ、「回答=住宅設計」があります。そして、その中から正解の糸口を見つけ、家族の成長や社会の変化といった時間の経過に耐えうる住宅を探していくのが、私たちの住宅設計だと考えています。
ですから、それは突拍子のないことや奇抜なデザインを目指すことではありません。そこでどんな生活が始まり、育てていくことができるのか、設計者である私たちと建主さんの共同作業です。秋になると実りをもたらしてくれる草木のように、手をかけて育てあげることで満足度の高い住宅ができます。
時には、私たちのお伝えする言葉や内容の専門性が高く、理解が難しいことがあるかもしれません。特に最近は性能を重視する傾向があり、そうした側面が増えています。その時は、気軽にその疑問を投げ返してください。「提案の理解」が前提です。そうしたことのために、私たちはプロフェッショナルであり続ける努力をします。みなさんの言葉に耳を傾け、その真意と訪れる未来のために必要なことを考えます。
Q3 相談したいのですが、どうしたらよいですか。
A 思い立ったら連絡ください。
まずは、最初の一歩としてコンタクトをしてください。事前にメールでも電話でもwebでも、みなさんが連絡を取るのに都合のよろしい方法でコンタクトをして下さい。必ず返信・返答をいたします。そして、気軽に事務所に様子を見に来てください。予算やスケジュール、個別の心配事など、豊富な経験をもとにいろいろとご相談にのれると思います。相談の多くは、みなさんのお仕事が終わる平日の夕方以降か土日に行っています。
◯
また遠方からの設計依頼もお受けしています。
携帯電話もメールもありますから、距離は大きな障害にはなりません。とはいえ工事が始まれば月に2〜4度ほど直接現場に伺いますので、別途交通費など実費が発生します。事前にその辺りの相談をさせていただき、対応させてもらいます。ちなみにこれまで、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、長野、静岡などにお住まいの方たちから声をかけていただいています。
Q4 どのような仕事してもらえますか?
A 予算・時間に則しつつ、夢のある住宅づくりをします。
一級建築士事務所の仕事は多岐にわたります。私たちも、オフィスビルや商業施設、個人住宅や集合住宅といった建築のタイプに関わらずお仕事をお受けしています。他にも、敷地探しをしたり、その敷地にふさわしい建築物を想定し事業計画のお手伝いをしたり、想定された建物を具体的に設計し監理するなどさまざまです。最近では個人の戸建て住宅、二世帯住宅、田舎暮らしの平屋住宅、木造アパートのリフォームなどを手がけていますが、これまでには集合住宅や飲食店舗、庫裏などを手がけた経験があります。
また、ローコストからハイコストまで、みなさんが希望する予算が前提となります。予算内となるように設計をしますし、それに基づいて見積調整を行います。
さらにマンションやオフィス、戸建て住宅のリノベーションなどもフルリフォームからコンバージョンまで、コストと工期に合わせて対応します。耐震補強や規模によってコストは様々ですが、現実を超えて夢のある住まい、夢のある建築を目指しています。
Q5 相談するにはどのような準備が必要ですか?
A まずは何もなくてもOK!
先のQ3でもお答えしましたが、まずは一度来所いただき、お話をしませんか? どのような相談なのか、教えてください。相談(面談)をスタートする時には、考え方が整理されていないのは当然です。それを、これから整理しながら一緒に形にしていくのが「家づくり」です。とはいえ、可能ならみなさんの夢(今、想像していること)についての簡単なメモがあるとスムーズなスタートになります。
面談では、おおよそのスケジュールや土地の取得の有無、漠然としたイメージ(例えば暖かい感じのリビングとか落ち着いた感じの寝室など)、生活についての希望(家族が毎晩集まるスペースが欲しいとか)、具体的な要望(本棚の量や鏡の位置、オーディオルームや電気自動車の充電器)など、その時にわかっていることをわかる範囲で教えてください。あるいは家づくりのために集めた雑誌のインテリア写真の切り抜きなどもあればお持ち下さい。具体的に敷地が決まっている場合は、敷地図(あるいは測量図)などの資料があるとスムーズです。事務所の見学、相談までは費用は一切発生しません。
Q6 相談の次は正式の設計契約になりますか?
A 設計契約は初回提案でみなさんが納得してから。
いいえ。
面談(無料相談)後にさらにお話を進める場合は、設計を私たちに依頼するかどうかの具体的な検討をしていただくための資料として敷地調査および初回提案をつくります。そのために、「アンケート」にお答えいただきます。アンケートでは単に間取りの希望ではなく、これからどんな暮らしがしたいのかをうかがいます。そこから得た情報で、プロの視点での現地調査後、基本的なプランとラフ模型を製作します。それには、2〜3週間ほど時間をいただきます。
まずは、建築家と住まいづくりをすることによる可能性を体感してください。
そして初回提案の説明をするための再面談をお願いします。説明後、案と模型をご自宅に持ち帰りいただき、今後について検討してください。そして後ほど設計依頼するかどうか返答ください。さらに具体的にお話を進める場合は、正式な設計契約を結んでいただきます。
その後、契約書などの手続きについて、書類によって契約内容や工事金額、設計料などを事前に確認いただき、ご納得の上で日時を改め契約をお願いしています。
また、契約にいたらない場合には図面・模型等お渡しした資料一式の返却をお願いいたします。初回提案の版権は弊社に帰属いたします。
Q7 設計から竣工(完成)までにはどれくらいの時間がかかりますか?
A 一般的な住宅で9〜12ヶ月。
一般的な戸建て住宅であれば、設計契約後、調査、基本設計、実施設計で3〜6カ月、現場工事が5〜6カ月というのが目安です(景気動向など社会情勢に影響を受けやすいのであくまでも目安です)。
またその他の建物の場合には、規模や用途により工期はさまざまです。いずれの場合も直接打合せをしたり、電話やメールなどでやりとりをして設計を絞り込んでいきます。徐々にプラン(間取り)を決めていき、寸法や素材、キッチンや浴室などの住宅設備を選び始めます。こうしたみなさんとの共同作業が、適宜必要となります。ご希望を少しずつ形にした提案を検討するという作業です。打合せは基本的に弊社でお願いしています。サンプルやカタログ、資料などご用意してお待ちしております。その後、工務店数社から見積りを取り、その調整後、確認申請、工務店の選定後に着工(現場工事がスタート)となります。
Q8 家づくりの予算はどれくらい必要ですか?
A まずは予算にあった「家づくり」がスタートライン。
私たちのところに相談にいらっしゃる方はさまざまな方がいらっしゃいます。
まずは私たちのこれまでの活動や住宅の情報をホームページや雑誌・書籍などでご覧いただき、「こんな感じの住まい」が欲しいと思っていただいたり、考え方に共感してくださった方が声をかけてくださいます。
それ以外では、ハウスメーカーや工務店で家づくりをしようと思いモデルルームやショールームを訪ねてみたが、考え方やプラン、仕様などが思い通りにならない、あるいは思っているような感じのハウスメーカーや工務店が見つからず、建築家ならなんとかからないかと思った……という方。
それともハウスメーカーや工務店に相談したが、予算的に難しいといわれた。しかしどうしても自分らしい家を建てたいので、他の専門家として建築家に声をかけてみた……という方。
いずれにしても、まずはご提示いただく予算がスタートラインになります。そして予算だけではない諸々の要素を建主さんと一緒に考え、そこでの可能性を検討します。(とはいっても、あまりに現実的でない場合もありますが、それでもなんとか……)可能性はさまざまあるのではないかと考えています。予算の多少に関わらずまずは可能性を追求しましょう。
Q9 見積りが予算オーバーの時どうしますか?
A まずは、大きく設計スタンスを変えることない減額法を模索します。
何かを中止したり、大きく変更するのではなく、細く全体から少しずつ削っていくような感じの調整法です。仕上げ材のグレードを下げる、あるいは代替できる別素材にする、とか、高機能の住宅設備の機能のグレードを下げる、です。エクセルで表を作りながら個別の数字を見てながらの検討です。
検討後、減額幅を見て、仕様を変更した割りに減額が大きく見込まれない時や、仕様変更が大幅に元の案を台無しにしているようではあれば、次の手も考えます。
次は、プランの変更や面積を縮小する方法です。できるだけ元の案のエッセンスを残しながら大胆に減額が叶うように再設計します。
また、ある程度「人件費=坪単価」という部分がありますので、工務店を変えて再見積もりをするという方法もあります。
いずれにしても、見積もり調整において何を大切にするのかを共有し、出口を見つける作業を丁寧にすることとなります。
Q10 設計料はどれくらいかかりますか?
A 総工費に伴って増減します。
新築の住宅の場合は、総工費の8〜13%程度(掛け率)となります。「総工費=工事費+設計料」です。さらに、大規模住宅やオフィスビル、商業施設などの場合のように工事費が大きくなれば掛け率(%)は低くなります。住宅リフォームの場合は最終工事費の14%程度となります。とはいえ、プロジェクトによって条件はさまざまです。その都度ご相談の上、金額を提示させていただくこととなります。
Q11 無数にある建主の要望はどう取りまとめますか?
A まずは常識や工法、予算に囚われないで複数案を!
お話をいただいたら、まずは既成概念や常識、工法・構造、予算に囚われないで、ご要望に様々な優先順位をつけていくつかの案をまとめてみます。
それらをたたき台にして予算や工法・構造を検討して、段階を踏んで調整していきます。 模型を作成しカッターナイフで切り刻みながら解決の糸口を探す、レジュメを作成し内容や問題点、検討事項など文字にして整理するなど、プロジェクトごとに「押しては引いて」の調整を繰り返します。 これらのエスキス作業では、案外いい調整のアイディアが浮かんだり、施工チームから提案があったりして、なんとなります。
ものの見方や捉え方を再度眺め直し、「代わりになるものはないか?」「何かと兼用できないか?」「省略できる部分はないか?」 と、シンプルな方向に形や材料だけでなく、考え方も収斂させていきます。 これに合わせて、優先順位を明確にして「今やるべきこと」「このプロジェクトでやるべきこと」を抽出して最終案を導きだして提案いたします。
Q12 狭小・旗竿の設計で気にすることはなんですか?
A その都度そこでやるべきことを見つけます
ごく稀なケースを除くと、多くの土地には良い点とそうでもない点があります。都市型の狭小敷地や旗竿状敷地は、それぞれの長所短所がありますが、ないものを嘆いても仕方ありません。
狭小敷地と旗竿状敷地では共に、防犯や周囲との関係性、風通しや日当たりを確認するのが基本です。 短所と長所をはっきりとさせ、それぞれを増幅させたり縮小させたりして特徴をはっきりとさせ、やるべきことを明確にしていきます。特徴を生かし、短所をカバーできる何かを発見できないかという作業です。